水無瀬家で作られた将棋駒
水無瀬駒は、水無瀬家で作られた将棋駒のことで、能筆家で知られた公家の水無瀬家が4代にわたって駒銘を書いています。
特に水無瀬兼成(かねなり)とその孫の兼俊(かねとし)がよく知られ、今でも水無瀬神宮には、約400年前の、安土桃山時代の公家で能筆であった「水無瀬兼成(みなせかねなり)」が駒の銘を書いたものが、残っています。
「将棋駒の銘は水無瀬家の筆をもって宝とす、この筆跡の駒、免許なきもの弄すべからず」との江戸時代の言葉が語るように、水無瀬駒は、時代の権力者に愛され、後陽成天皇や豊臣秀次、足利義昭や徳川家康などの公家、武士に納められました。
島本町指定文化財第1号に
水無瀬神宮では、この水無瀬駒ゆかりのものとして、小将棋「八十二才」銘 漆書と将棋「八十六才」銘 墨書と中将棋(残4枚) 漆書が残っており、水無瀬神宮のある大阪府島本町では、この水無瀬駒を「島本町指定文化財第1号」としました。
古将棋の一種中将棋
島本町では、水無瀬駒を体感するために、将棋のプロを招聘する中将棋公開対局をはじめとする「水無瀬駒」にちなんだ地域活性化事業(「中将棋セミナー」・「中将棋公開記念対局」・「水無瀬駒 関連資料」展示会)などを毎年開催しています。水無瀬駒の資料は、通常は一般公開されていませんので、この展示会で見ることができます。
(※一部資料の解説は島本町立歴史文化資料館で常設しています。)
ちなみに「中将棋」というのは、古将棋の一種で、普通の将棋よりも92枚と駒が多く、「取り捨て」方式の将棋です。実際にやってみると、将棋におけるはめ手のように急戦は起きず、じっくりじっくり戦う感じです。2回動ける獅子という駒もあり、普通の将棋とは違うオモシロさがあります。
中将棋のルールについては、中将棋連盟が詳しいです。