シングルモルトって?
シングルモルトとは、モルト・ウイスキー(大麦の麦芽100%でつくられたウイスキー)のうち、一つの蒸留所のモルト・ウイスキーだけで造られた製品のことをいいます。
「モルト」は大麦のみを使用したもので「シングル」は一つの蒸留所で製造したという意味です。製造過程は、おおよそ発芽させた大麦のみを使用泥炭(ピート)で燻煙乾燥させる。単式蒸留器で2回~3回蒸留。樽で3年以上熟成させています。
山崎12年や18年などの山崎蒸留所で作っているウィスキーはこのシングルモルトにあたり、シングルモルトは、その地の水や土地、ブレンダーの舌の影響を受けて、作られますので、個性豊かで地酒のようなイメージです。
他にも、複数の蒸留所のモルト・ウイスキーを混ぜた「ヴァッテッド・モルト・ウイスキー」や、モルト・ウイスキーとグレーン・ウイスキーを混ぜた「ブレンデッド・ウイスキー」などがありますので、呼び名について紹介しましょう。
ピュア・モルト
原料がモルトのみのウイスキー(グレーンを使用しないもの)
単一蒸溜所だけで作った「シングルモルト」も「ピュアモルト」です。他には、複数の蒸溜所のモルトどうしを混ぜ合わせたものを「ヴァッテドモルトウイスキー」(ブレンデッドモルトウィスキー)と呼んでいます。つまり100%モルトを使ったウィスキーということです。
ヴァッテドモルトウイスキー
・ヴァッテドモルトウイスキー(ブレンデッドモルトウィスキー):
複数の蒸溜所のモルトどうしを混ぜ合わせたものをさします。日本ではあまり見られないウィスキーですが、ブレンデッドモルトウィスキーと同じです。
2006年にスコッチウイスキー協会(SWA)から今後はなるべくブレンデッドモルトと呼び代えるようにという通達があったそうです。原酒を混合する容器をヴァット(大きな桶)と呼んでいたため、この呼称が生まれたとのこと。
ブレンデッドウイスキー
モルトウイスキー原酒とグレーンウイスキー原酒をブレンドしてつくったウイスキーです。
数種類の個性異なるモルトウイスキーを混ぜ合わせ(これをヴァッティングといいます)、更にそれを引き立てるグレーンウイスキーとブレンド。通常モルト原酒は数種類から数十種類の蒸留所のものが混ぜ合わされます。互いの長所をうまく引き出し、香味の豊かなウイスキーへ仕上げます。国産のブレンデッドウイスキーには『響』『ローヤル』『リザーブ』『オールド』『角瓶』などがあります。
グレーン・ウイスキー
とうもろこし、ライ麦、小麦などの穀類を主原料とし、そこに大麦麦芽を糖化酵素として加え製造されたウイスキーです。アルコール濃度が高くなるように蒸留しているためすっきりした味わい。蒸溜の段階で、連続式蒸溜機を使用することが特徴です。糖化、発酵、蒸溜、貯蔵という工程はモルトウイスキーと同じです。個性の強いモルトウイスキーが「ラウド(声高な)スピリッツ」と呼ばれるのに対して、グレーンウイスキーはおだやかな性格で「サイレント(寡黙な)スピリッツ」と呼ばれます。
シングルグレーンウイスキー
単一の蒸留所で造られたグレーンウイスキーのことです。
バーボンウイスキー
バーボン(Bourbon)とは元々、ケンタッキー州の地名に由来します。アメリカ独立戦争時代、イギリスと闘っていたアメリカ独立派を支援したのが、当時植民地支配をめぐりイギリスと対立していたフランス。そのブルボン家(英語だとバーボン)となる。アメリカ独立後に地名として残りました。原料の穀物中にトウモロコシを51%以上含み、80度以下で蒸溜し、さらに内面を焦がしたホワイトオークの新樽で、アルコール度数62.5度以下で熟成したものというのがアメリカの法律に定めるバーボンの定義です。
シングルカスク
1つの樽のモルトウイスキーだけを瓶詰めしたウイスキーのことです。樽出しのアルコール度数である50~60度位(カスクストレングスといいます)のままであることが多いです。
スコッチウイスキー
スコットランドには、100以上の蒸留所があり、おおむねハイランド、ローランド、スペイサイド、アイラ、キャンベルタウンの5地域にあります。そのイギリス北部のスコットランド地方で蒸溜、熟成されたウイスキーの総称です。製法や香りなどにその地域・蒸留所の特色がある。その8割はハイランド(スペイサイドを含む)地方にあります。
定義は、穀類を原料として、酵母により発酵させ、アルコール分94.8度未満で蒸溜し、700L以下のオーク樽で最低3年以上熟成させ、最低瓶詰めアルコール40度以上。 麦芽を乾燥させる際にピートを使用するため、独特のスモーキーフレーバーがついているのが特徴です。
世界の五大ウイスキー
「スコッチウイスキー」「アイリッシュウイスキー」「アメリカンウイスキー」「カナディアンウイスキー」「ジャパニーズウイスキー」の総称です。