蒸溜所見学ツアー開始

出発時間がせまると、館内アナウンスがウィスキー館に入り、2階の出発カウンターに集められます。そこで、今日引率してくれるサントリーのガイドさんが登場し、注意事項を丁寧に説明してくれます。まず、ガムアメ含め、飲食当然禁止。車に乗る人は飲んじゃだめなのでプラカードを下げてもらうこと、それから写真は撮ってもかまわないですが、動画は禁止していることなどが告げられます。
 
で、このサントリーのガイドのお姉さんたちは、大抵美人なので、いつも期待しています。でもバスガイドに惚れてしまう遠足の小学生現象が発生しかねないので、要注意です。
 
さて、そんなガイドさんに引率されて、ツアーは開始されます。ちなみに、この蒸溜所ツアーはどうもロングバージョンとショートバージョンがあるみたいです。土日や参加者が多い際は、ショートバージョンになるみたいで、説明のいくつかが端折られているみたいです。この日は、暑いのもあってたぶんショートバージョンでした。
 
ツアー開始。まず外に出るなり、創業者の鳥井信治郎の像が見えます。像はウィスキーを嗜み鳥井さんの姿、その横には2代目マスターブレンダーの佐治敬三の像が粋な感じで立っています。この辺はショートバージョンだと説明はなしですが、何もないこの場所から山崎蒸溜所やサントリーを発展させてきた人たちです。ウィスキー館で既にファンになっている場合、結構胸にくるものがあります。
 

 

続いて、敷地中央の道路を越えるとエレベータに乗りこみ2階へ。いよいよここからがツアー本番です。
 

エレベーターが到着し、ドアが開くと外で歩いていたときとは、別レベルで醗酵臭が襲ってきます。外でも多少するのですが、建物内は別格です。匂いで酔っ払うことはないとの話ですが、その匂いの靄の中を歩いていく感じがします。
 

仕込み、発酵室

中に入ると、まず通されるのが原料である麦芽を砕いてきれいに澄んだ麦汁を作り、酵母を加えて麦汁を発酵させる「仕込み、発酵室」です。この日、訪問した日は30度超えの真夏日だったので、匂いだけでなく、ものすごく暑いです。蒸溜所内はエアコン効いてるかもと思って持参した長袖なぞ、どこかに捨てたいぐらい邪魔でした。この部屋は左側に「仕込み」があり、右側に「発酵室」があります。でかい五右衛門風呂のような中で醗酵させているような感じです。
 


 

 

蒸溜室

その部屋を抜けると今度は、ポットスチルという独特の蒸留釜を使って発酵した汁を蒸溜している場所に案内されます。この日は本当に暑かったので、さきほどの「仕込み、発酵室」とこの「蒸溜室」をつなぐ廊下のようなところで、ガイドさんから止まるように指示され、ここで説明を聞きました。
 
どうやら中は半端なく暑いので、見たらすぐに通りぬけてくださいとのこと。周りの音がうるさいのでほとんど説明が聞けませんでしたが、工場の中央部分にどんどん入っていく雰囲気があって非常に気持ちが高まってきます。
 


 
そして「蒸溜室」へ、中はSFの宇宙戦艦ヤマトのエンジンみたいな巨大なスチルポットが左右に配置され、稼動し続けています。説明によるとこのスチルポッドは、初溜と再溜の2回の蒸溜所をここで行い、炎を直接あてる直火蒸溜所と、蒸気を使った間接加熱の2種類があるそうです。この建物のちょうど真ん中に蒸溜された新しいモルトウィスキー「ニューポット」が注がれているのを見ることができます。完全に透明で、まだウィスキーとは呼べない代物です。
 

 
ガイドさんの注意どおり、蒸溜室はかなり暑く、サウナのような熱気と醗酵臭がすごくて、写真を撮りながらすぐに離脱しました。ほほに直接熱気があたる感じで、カメラ壊れるんじゃないかという体感レベルです。しかし、こういう生の感じが蒸留所訪問の楽しいところなので、間違ってもガラスで囲ったりしないで欲しいと思います。
なお、いちおうガイドさんとは別に年配のサントリーの人が後ろからついてきてくれるので、あまり辛いと「リタイア」も申し出ることができるようです。
 

 
建物を抜けたところで、「蒸溜室」で蒸溜した「ニューポット」が置いてあり、その出来立てのウィスキーの香りをかぐことができます。まだあまり匂いがしませんがうっすらと香るアルコール臭、これがウィスキーの赤ちゃんというわけで、ここから長い年月をかけてウィスキーになっていくわけです。
 
ちなみに、この蒸溜室はこのツアーの前半の見所です。見学用に見せるだけの模型みたいなものを設置しているのかなと思いがちですが、そうではないようです。奥にちゃんとモニタールームがあり(エアコン効いてそうな)制御していました。結構、工程の大事なところをみせるのだなと思って感心できます。この日は本当に暑くて素通りでしたが、長く見たい場合は寒い時期にいくといいかもしれません。 
 
ここを抜けると、樽詰めゾーンがありますが、土日はお休みのようで動いてません。ここは素通りでいよいよメインの貯蔵室に突入です。
 

貯蔵庫


 

ずらりと並ぶ樽、樽。薄暗い倉庫に樽が何列にわたって並んでいます。今までと比べ物にならないアルコールの深い匂いが漂ってるのが、入るとすぐに分かります。ウィスキーの森があるならこんな匂いがすると思えます。夏場は醗酵、蒸発が活発になり濃度が冬とぜんぜん違います。実際にガイドさんがそういう説明をしてくれますが、以前、12月に来た時とは匂いの濃さが違っていました。本当に濃いので、ツアーを進める前にここで再度、「リタイア」する人を、募っていました。お子さんづれのファミリーが1組が離脱。確かにちょっとダメな人は苦しいかもしれません。ちなみに私はラブな感じでしたが。

 

ガイドさんはここでいわゆる蒸発分のウィスキーは天使のものだという「天使の分け前」の説明をするのですが、夏は分け前どころか天使ガブ飲み状態になってるかもしれません。入れてすぐの樽と何年も経過した樽が比較で置いてあります。樽の中に入れたアルコールはどんどん蒸発していき、年が経てばたつほど熟成していきますが、量も減ります。この樽に何年いれてきたか?というので山崎12年とか18年とか言われるわけです。ただぴったり12年というわけではなく、その酒をさらにブレンダー達がブレンドするそうです。
 

 
さらにショートカットツアーでない場合は、樽の種類の説明があります。この山崎では大きく6種類の樽を使っているらしく、それぞれ味わいや香りに違いが出てきます。自分の世代でなく、次の世代へつなぐような、ロマンのある気の長い作業です。
 

 
ちなみに、今回訪問して、何年か前に来た時とは、置いていた樽が違うものになっていました。前は、自分の生まれた年齢の樽もあったのですが、なくなっていました。ちょっとがっかり。さらに、一緒に廻っていた大学生らしき一団が、これ俺の生まれーとか指差した樽の年数が1992年だったのを見て、世代間の辛さを感じました。その年のヒット曲が何曲も歌えてしまうことに。
 

 

建物の規模から他にも貯蔵庫があるのでしょうが、かなり広い空間です。こんなに集団で動き回ったり、ホコリを撒き散らしたり、息をしたら、ウィスキーに悪くないのかな?と余計な心配しながら歩いていきます。写真もたくさんとりましたが、暗いのでほとんど写りませんでした。ここで、もし誰か人がいなくなっても気がつかないんじゃないかというぐらい暗くて広いです。(センサーとかあるんでしょうけど)
 

山崎の名水 すがすがしい風

樽の世界を堪能し、十分に満足して外へ出るとそこは森の中の爽やかな風がほほをうちます。この貯蔵庫の出口は、蒸溜所の敷地の最北にあってちょうど山の麓にあるため、すぐ側に山の木々が生い茂っている場所に出ます。山崎ウィスキーのおいしさの重要な点、「水」のことをここで思い出します。山崎の名水を使ったウィスキーというわけです。ここには、小さく作られた池があり、そこに山崎の水についての解説が書いてあります。さっきまでのアルコールの匂いがここで洗われるような清々しさがあります。
 

 

 

サントリー山崎蒸溜所見学 サントリー 山崎蒸溜所
サントリー山崎蒸溜所見学 その1 駅からの道 西国街道
サントリー山崎蒸溜所見学 その2 受付~山崎ウィスキー館
サントリー山崎蒸溜所見学 その3 ツアー開始
サントリー山崎蒸溜所見学 その4 試飲~ツアー終了 お土産、さらに飲む

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