大山崎町の離宮八幡宮辺りのかつてのお土産品です。
「山崎の猪」は人形浄瑠璃や歌舞伎で人気の高い「仮名手本忠臣蔵」の五段目「山崎街道の場」にちなんでいます。

 

いわれは、猟師に身をやつした早野勘平が、かつての同輩千崎弥五郎と出会い、主君あだ討ちの資金調達の話を聞きます。夜半、暗闇の中で勘平の前に一頭の猪が飛び出します。勘平は銃でしとめますが、猪ではなく、盗賊の定九朗でした。
 
定九朗は、勘平の女房おかるの父、与市兵衛を殺し金を奪っていました。勘平は遺体の懐からの財布をあだ討ち資金にと思いますが、財布の中身は義父のお金でした。勘平は切腹し、登場する人々はことごとく不幸な目にあいますが、肝心の猪だけは無事でした。
 
「五段目で運のいいのは猪ばかり」と川柳にあります。
 
この非常に運のいい猪にあやかって、大正4年に山崎の寺の住職が自ら見本をつくって、みやげ物として付近で売らせたのが始まりとされています。何度か作られなくなっていますが、現在は張り子のものが離宮八幡宮や西田書店などで販売されています。

 

※参照、画像:京都文化博物館より

 
※追記:2013年現在では画像のような猪は作られておらず、山崎の地元の張り子の先生の手による別のデザインの猪が作られています。
※2013年4月:お店の張り子の画像追加(西田書店
 


山崎の猪 への5件のコメント

  1. 斎藤 益男 より:

    ホームページを拝見して、「山崎の猪」について興味を持ったものです。
    この郷土玩具は、現在でも作られているのでしょうか。
    入手可能であれば、入手方法ほか詳細を知りたく思います。
    当方、干支が猪なので、興味があります。
    お手数おかけしますが、よろしくお願いいたします。

    • yamazakilove より:

      管理人のYLです。斎藤さんコメントありがとうございます。山崎の猪については、JR山崎駅前の「西田書店」の店主さんに最初に教えてもらいました。全く同じ郷土玩具ではないと思いますが、その西田書店さんにて、陶器のものを販売・展示してあったと記憶しています。
      場所などはこちらで西田書店さん075-956-0527
      インターネット通販などでは、私の知る限り手に入らないようです。もう少し詳細がわかれば、またここに書き込んでおきますね。

      • 斎藤 益男 より:

         貴店で、地元の張子作家の猪の作品を、販売されているという情報を聞いたのですが、詳細を知りたいです。

  2. yamazakilove より:

    管理人のYLです。
    「山崎の猪」についてもう少し話を聞いてきました。
    画像にあるのと同じデザインの郷土玩具は、どうやら30年前ぐらいに作られなくなったとのことで、現在は容易に手に入らないようです。

    その代わり、地元の張り子作家の作品があります。それは西田書店さんにて現在も販売されています。陶器ではありませんでした。私の記憶違いです、すいません。

    また、猪のデザインの方はもう少しカラフルになっており、背中に目立つ感じで青色なども使われています。(お腹の部分に山の字があります)

    手元に写真がないので、お見せできないのですが、西田書店さんにてお求めになれると思います。

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